2018/11/01 15:40






▼ はじめに、なぜこのアイテムを紹介する理由を教えてください。


私は服飾デザイナーです。

ものを作る際にイメージすることは、有機的で生き物のように愛着が湧き、

年令問わず使えて、東洋人に似合っていること、等をテーマに形作って行くことが多いのですが、

旅行中にこのシリーズの笠を見つけた時、嬉しくてドキドキドキ・・・!と鼓動が速くなりました。


普段私が創っているものたちと、同じ特徴を持っていたからです。


はじめ見つけたのはお土産物屋さんでしたが、お店の人に、作ってる場所はどこなのか教えてもらい、

そこへ買い付けに向かいました。

着いたのは、のどか〜〜〜な港町でした。

現地の人たちが自然のヤシの葉を用い手作業で作り、現地の人達が外で作業する際等の日常で使用されていました。


自分で創ったものではない、仕入れたものを販売するのは実は初めての試みですが、

私のブランド「ぺーどろりーの」のお客様なら絶対気に入ってくれるという確信がありました。



▼ このアイテムのおすすめポイントは何ですか?(使い方の具体例やディテールなど)

笠って古代から使われてきただけのことあって、半端なく実用的なんです。

帽子と比較しても、「軽い」「蒸れず涼しい」「晴雨兼用」「雪でもOK」「いくらでも手に入る材料」等メリットが多く

東洋系の人なら老若男女、誰でも似合ってしまうんです。

古代から農業や漁業の際使われていますが、現代だったら日焼けしたくない時や海水浴、野外フェス等、

屋外に長時間居る場合には、帽子より笠のほうが優れている点が多いです。

だって、雨が降ってきても、別にそのまんまで良いんですから。


しかもこの笠、よほど風の日でもなければ紐が要りません。
通常アゴで結ぶための紐がつく台の部分が細い竹ひごで編まれた可動式の籠ようになっており、
カポッとフリーサイズに頭を掴むようにホールドしてくれます。
かぶる前にギュッと両手で縮めてやれば、小さな子どもも安定してかぶれていました。



私はこれまでも笠をいくつも買ったり作ったりしてきましたが、この機構は初めて見ました。
本当によくできています。

昔から沢山の人達が手を動かして、実際に使って、試行錯誤のなかこの形になってきたと思われる、
東洋の集団的知性を感じさせてくれる笠なんです。


▼ このアイテムをどんな人にどんなふうに使って欲しいか教えてください。

もともと舞台衣装を縫っていた私が、現実世界の服を作り始めるようになったのには、きっかけがありました。

舞台公演で海外を回っていた頃、白人たちの自然な、悠々とした洋服の着こなしをみていると、

よくある日本のファッション業界が売りたいイメージはこれだったんだ、本物はこれか、という事がよくわかりました。

同時に、骨格も体質も生活も全く異なる日本人が、無理してこの様式に自分たちを当て込もうとしている事に違和感を感じました。


「日本人、洋服似合ってない・・・」


このことに、海外に出て初めてはっきりと感じました。

洋服は、日本とは全くの異文化圏の中で生まれたものなので考えてみれば当然なのですが、

現代日本人のもつ不自然さの謎が解けて行きました。


では現代東洋人が着るべき衣服とは、どんなものだろうか?という問いが生まれたんです。

着物は確かに素晴らしいし、私も大好きです。

でも現実に今現在日常的に着物を着ている人はほぼいません。

学校や仕事に突然着物を着て行ったら、何事かと驚かれるのは間違いないでしょう。

笠もコスプレ的なイメージがあるかもしれませんが、

その実用性の高さも手伝って、気軽に取り入れられる民族アイテムだと思います。

これは笠に限らずですが、主張が強いアイテムでもその人自身に馴染みが良ければ成立しやすいものです。


ぜひ日常や、遊びに行く時に、しれっと普通にかぶって外に出て欲しいんです。

私は近所の公園で子供を遊ばせるときなんかも被ってます。

何より快適だし、おじいちゃんや子どもたちに話しかけられるので面白いですよ。


▼ 最後に結びの言葉をお願いします。

いつもと違うものを身に着けた時の身体感覚を、よく感じてみてください。

笠をかぶるなら、こっちの服を着てみよう、あの靴のほうが合うだろう、メイクはこうしよう、と

いつもとは違うバランスを取ることをたのしんでください。

笠をかぶった自分の顔かたちをみつめながら、受け継いできた遺伝子や祖先の生活に思いを馳せるのも乙ですよ。

現在7種類もご用意できているので、是非覗いてみてくださいね。


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